採点・判定の仕組み

高ストレス判定ロジック

SmallCheckerの判定は厚生労働省が定める公式の基準にそのまま基づいており、このページではその判定ロジック・基準となる数値・出典を公開しています。高ストレス判定は厚生労働省の基準式を採用しています。あわせて、健康リスクを示す「仕事のストレス判定図」による分析も行っています。

高ストレス判定について

質問は4つの選択肢から回答する4件法であり、選択肢ごとに配点が決まっています。たとえば「そうだ=4点/まあそうだ=3点/ややちがう=2点/ちがう=1点」となっています。しかし、質問によっては配点が逆になる「逆転項目」もあります。どの質問がどの選択肢パターン・配点になっているかは、質問(調査票)の全文公開で確認できます。

高ストレス判定に使う3つの領域

高ストレス判定では、回答結果を大きく3つの領域に分けて確認します。

ストレッサー(A)

仕事の量や質、職場の人間関係など、仕事上の負担に関する項目です。

ストレス(B)

疲労感、不安感、抑うつ感、身体の不調など、現在の心身の状態に関する項目です。

リソース(C)

上司・同僚など、周囲からどの程度サポートを受けられているかを確認する項目です。

高ストレスになるのは2つのケース

高ストレスと判定されるのは、大きく分けて次の2つです。

①強いストレス反応

疲労感、不安感、抑うつ感、身体の不調などが一定の基準を超えている場合です。

②総合判定

ストレスそのものは基準には達していなくても、仕事上の負担が大きく、周囲のサポートも少ない場合は、高ストレスと判定されることがあります。

つまり、「心身にどのくらいストレス反応が出ているか」を中心に、その背景にある仕事の負担や周囲のサポートも含めて判定する仕組みです。

学術的根拠

この考え方は、NIOSH(米国立労働安全衛生研究所)の職業性ストレスモデルなど、職場のストレスに関する研究を背景としています。

NIOSH職業性ストレスモデルの概念図:ストレッサーがストレス反応を引き起こす一方、リソースがストレスを緩和する

仕事上の負担が大きくなると、心身のストレス反応が現れやすくなります。仕事量が多い、仕事が難しい、人間関係に問題があるといった状況が続くことで、疲労感、不安感、抑うつ感などのストレス反応につながると考えられています。

一方で、周囲からのサポートには、ストレスの影響を和らげる働きがあります。困ったときに上司や同僚に相談できる、仕事を手伝ってもらえる、話を聞いてもらえるといった支援があることで、仕事上の負担がそのまま強いストレス反応につながるとは限りません。

そのため、同じように仕事の負担が大きい人でも、周囲から十分なサポートを受けられる人と、そうでない人では、心身に現れるストレス反応が異なることがあります。

高ストレス判定では、こうした考え方を背景に、心身のストレス反応だけでなく、仕事上の負担や周囲のサポートも確認します。

57問・80問・120問・141問の判定基準

高ストレスの判定基準は同じです。

80問・120問・141問版で追加された質問は、高ストレス判定の点数には加算されません。職場や個人のストレス状況をより詳しく把握し、その背景や要因を分析するために活用されます。高ストレス判定の基準はそのままに、より多くの視点から状況を把握できるのが、質問数の多い調査票の特徴です。

なお、23問版は質問数を絞った簡易版のため、使用する項目数と判定基準が異なります。

実際の判定基準

条件①・②のどちらかを満たした場合に、高ストレスと判定します。

バージョン条件① ストレス反応条件② 総合判断
23問版Bが31点以上A+Cが39点以上、かつBが23点以上
57・80・120・141問版Bが77点以上A+Cが76点以上、かつBが63点以上

出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月・厚生労働省労働基準局安全衛生部)p.43〜45「評価基準の例(その1)」
https://www.mhlw.go.jp/content/000533925.pdf

健康リスク判定(仕事のストレス判定図)

「仕事のストレス判定図」は、その職場が全国平均と比べてどれくらい健康リスクが高いかを数値で表すものです。数値が100なら全国平均と同じで、100より大きいほどリスクが高く、小さいほどリスクが低いことを意味します。2つの図(図1・図2)でそれぞれ別の角度からリスクを見て、最後に掛け合わせて「総合的な健康リスク」を出します(仕事の要求度・コントロール・サポートモデル=カラセックモデルに基づく)。

図1:量-コントロール判定図

「仕事の量が多いか」×「自分のペースで仕事を進められるか」の組み合わせで見る図です。仕事量が多く、かつ自分の裁量が少ないほど、リスクが高くなります。

図2:職場の支援判定図

「上司に相談しやすいか」×「同僚に相談しやすいか」の組み合わせで見る図です。周りに相談できる人が少ないほど、リスクが高くなります。

総合健康リスク

図1・図2それぞれの健康リスクを掛け合わせたものが「総合健康リスク」です。数値が大きいほど、全国平均と比べて健康を害するリスクが高いことを示します。

仕事のストレス判定図(量-コントロール判定図・職場の支援判定図)のサンプル

※実際の集団分析画面のサンプルです。数値はサンプルデータです。

計算式

名称計算式
リスクA(量-コントロール判定図)100 × EXP[ (量的負担の得点 − 全国平均) × 係数 + (コントロールの得点 − 全国平均) × 係数 ]
リスクB(職場の支援判定図)100 × EXP[ (上司支援の得点 − 全国平均) × 係数 + (同僚支援の得点 − 全国平均) × 係数 ]
総合健康リスクリスクA × リスクB ÷ 100

出典:東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野「仕事のストレス判定図 テクニカルノート」
https://mental.m.u-tokyo.ac.jp/old/hanteizu/Technote.htm

出典:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票に関する新しい基準値の提案」(令和5〜6年度厚生労働省労災疾病臨床研究事業費補助金、研究代表者:堤明純 北里大学医学部公衆衛生学)表6-1(全国平均・254ページ目)・表11-2(係数・446ページ目)
https://www.mhlw.go.jp/content/001554426.pdf

偏差値について

各尺度の得点は、全国平均と比較した偏差値(平均50)で表示しています。数値が高いほど良好な状態を示すよう向きを統一しており、一部の尺度は、回答の向きを反転させたうえで算出しています。平均点と標準偏差(SD)は、令和5〜6年度の研究に基づいて算出されています。

偏差値の表示画面サンプル(ストレッサー領域)

※実際の結果画面のサンプルです。数値はサンプルデータです。

表6-5 新職業性ストレス簡易調査票80項目の統計量(全体)

※出典資料内「表6-5. 新職業性ストレス簡易調査票80項目の統計量:全体」

出典:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票に関する新しい基準値の提案」(令和5〜6年度厚生労働省労災疾病臨床研究事業費補助金、研究代表者:堤明純 北里大学医学部公衆衛生学)表6-1(254ページ目)・表6-5(258ページ目)
https://www.mhlw.go.jp/content/001554426.pdf

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