ストレスチェック制度と義務化

高ストレスと判定されたとき

従業員が高ストレスと判定されたとき、会社はどうしたらよいでしょうか。また、高ストレスではない従業員には、何もしなくてよいのでしょうか。このページでは、会社に求められる対応と、そのために用意されている公的な支援をご案内します。

基本的な対応

  • 高ストレスと判定された人から申出があった場合

会社は医師による面接指導を手配する必要があります。

面接指導の依頼先には、無料で利用できる地域産業保健センター(地産保)のほか、民間の医療機関もあります。

  • 高ストレスと判定されたが、面接指導を希望しない人
  • 高ストレスではないものの、悩みを抱えている人

どなたでも利用できるこころの耳の相談窓口を案内できます。

ポイント

面接指導は本人の申出が前提です

面接指導を受けるかどうかは本人が判断します。申出がなければ、会社に面接指導を手配する義務は生じません。

実施者のもとで行ったストレスチェックであることが前提です

実施者がいない場合、ストレスチェック自体が法律上の要件を満たさないため、その後の面接指導も法律上のものとして扱われません。

費用は会社負担です

地産保を利用すれば無料です。民間の医療機関に依頼する場合は、保険診療が使えないため、全額会社負担となります。

面接指導の後にも会社の対応があります

面接指導から1か月以内に医師の意見を聴き、必要に応じて就業上の措置をとります。面接指導の記録は、5年間保存する必要があります。

面接指導以外の相談先も案内しましょう

面接指導を受けない人が不調を抱えたままにならないよう、こころの耳の相談窓口をあわせて案内しておくことが大切です。

面接指導の依頼先

1地域産業保健センター(地産保)

概要

厚生労働省所管の独立行政法人労働者健康安全機構が運営する支援機関です。全国約350か所(おおむね労働基準監督署の管轄ごと)に設置され、登録産業医が配置されています。

主な利用場面

  • 高ストレス者から医師の面接指導の申出があった場合
  • 面接指導後、医師の意見を踏まえて就業上の措置を検討する場合

支援内容(無料)

  • 高ストレス者に対する医師の面接指導
  • 面接指導結果および医師の意見書の提供
  • 定期健康診断結果についての医師の意見聴取 など

利用方法

面接指導の対象者が決まった時点で、最寄りの地産保に申し込みます。医師の手配や日程調整は、地産保の窓口を通じて行われます。

留意事項

  • ストレスチェック自体は実施していません。
  • ストレスチェックの実施者を、地産保の医師に依頼することはできません。
  • 50人未満の事業場への支援が優先されます。大企業の営業所などで本社の産業医の協力を得られる場合は、利用できないことがあります。
▶ 産業保健総合支援センター・地域産業保健センターの利用案内(労働者健康安全機構)

2民間の医療機関に会社として依頼する

地産保のほか、民間の病院やクリニックの医師に、会社として面接指導を依頼することもできます。法律上、面接指導は「医師」が行うものとされており、産業医の資格は必須ではありません。

ただし、厚生労働省の指針では、産業医や、産業保健の経験がある医師が望ましいとされています。面接指導では、病気の診断ではなく、職場の状況を踏まえた働き方についての意見が求められるためです。

一般の医療機関にとっては通常の業務ではないため、対応が可能かどうか、費用はいくらかを事前に確認してください。依頼時には、労働安全衛生法に基づくストレスチェック後の面接指導であること、面接後に就業上の措置についての意見が必要であることを伝えます。

会社の対応

  • 費用は全額会社負担です。保険診療は使えません。
  • 面接指導から1か月以内に、医師から就業上の措置についての意見を聴く必要があります。
  • 面接指導の記録は、会社で5年間保存する必要があります。
  • 医師から会社に伝えられるのは、就業上の措置に必要な範囲の情報だけです。診断名や検査の数値などは提供されず、会社から求めることもできません。

3従業員が自分で医療機関を受診する場合

従業員が、自分の判断でメンタルクリニックなどを受診することは自由です。会社がこれを妨げることはできません。この場合は通常の診察として扱われ、会社の面接指導とは次の点が異なります。

会社の面接指導従業員の自主的な受診
手配会社本人
費用全額会社負担本人負担(保険診療)
医師の意見会社に提供される会社には提供されない
記録の保存会社で5年間会社の義務はない

なお、従業員が自分で受診していても、面接指導の申出があった場合は、会社は別途面接指導を行う必要があります。

相談窓口

1こころの耳 相談窓口

概要

厚生労働省が運営する、働く人向けのメンタルヘルス相談窓口です。電話・SNS・メールで無料相談ができ、高ストレスかどうかにかかわらず利用できます。

主な利用場面

  • 高ストレスと判定されたものの、医師の面接指導を希望しない従業員への案内
  • 高ストレスではないものの、相談を希望する従業員への案内

留意事項

面接指導を受けるかどうかは本人の選択によります。面接指導を受けない従業員が高ストレスの状態のまま放置されないよう、面接指導以外の相談窓口を案内しておくことが重要とされています。

▶ こころの耳 相談窓口

2こころの耳 セルフケア情報

概要

ストレスへの気づきや対処法を学べる動画、セルフチェックなどを掲載しています。

主な利用場面

  • ストレスチェック結果を受け取った従業員が、自身でストレス対処に取り組む際の参考として
▶ こころの耳 働く方へ

出典:
厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」(令和8年2月)
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」
厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(ストレスチェック指針)

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